子育て・発達凸凹

【ボク】の物語(第1話)。生きることの始まり

3,500gの真っ赤な人が、その小さな体から発されているとはとてもおもえない大声と共にこの世に生まれた。

覚えてる。

その時全身で感じた違和感を。

その違和感が思い違いであることを祈ったことを。

その日から【ボク】の「生きること」が始まった。

その日から私の人生が私のものではなくなった。

 

明日はこなくていい

「どうしたのかな~?」

「よしよし、泣かんでいいよ~」

「もう泣かんでいいって~」

「まだ泣くの?なんで?何が嫌?」

「もういいって!お姉ちゃん、窓閉めて!」

「また!?はぁ~しんど…」

「なんでなん!?うるさいよ!抱っこしてるやん、ミルク飲んだやん、オムツ変えたやん、もう2時間も泣いてるよ!なんで?もう嫌…」

「もう3時間…頭痛い…」

「今日もか…どうやっても無理やわ。もういいわ。」

「今日も…。頭痛い、しんどい、ノイローゼなりそう…

明日がくるのが怖い…ずっと寝続けてくれたらいいのに」

想像していた「大変だけど幸せな笑顔溢れる育児」とはかけ離れたものだった。

毎日夕方になると泣き続ける【ボク】。

2カ月続いた。

泣き止む時は眠る時。

「疲れ果てて眠る」こと以外で泣く事を止める事はできなかった。

3時間泣き続け、全ての体力を使い果たし死んだように眠る…

私はこんな毎日が続くうちに笑顔が消え、自分でも止める事が出来ないダークな感情に飲み込まれていく。

明日がくるのが怖い。

明日も泣き続けるだけなら…

いっそこのまま眠ったままでいい…

「ママも横で眠るからね。もう2人とも目を覚ましませんように。」

理由がわからない事に不安になり、終わりが見えない事に恐怖を覚えていた。

 

息ができない

大泣きの赤ちゃん

泣き続ける毎日に精神が削られボロボロになっていく。

生後4カ月経った【ボク】とは目も合わず、【ボク】自身に笑顔もない。

この子は生まれてきて幸せなんだろうか?

無表情で1日を過ごし、夕方何かにとりつかれたように泣き叫び続ける毎日、

辛くないのだろうか。

そんな事を思いながら、いつものようになす術もなくただ泣き叫ぶ【ボク】を見ていると

「?」

一瞬呼吸が止まった。

「気のせいかな?」と思ったのも束の間。

動きが止まる。

やっぱり息をしていない!

どんどん唇が紫になっていく。

「【ボク】!」「【ボク】!」「どうしたの!?」「【ボク】!」

涙目になりながら声をかけ続ける。

「救急車!」と頭ではわかっているが視線を【ボク】から外せない。

「どうしよう、どうしよう、死んじゃう!」

時間が過ぎてゆく。

自分も息をしていないような感覚。

「息をして!」

「死なないで!」

ああ、やっぱり私、【ボク】に生きててほしいんだ。

「眠ったままでいい」なんて嘘だ。

そんな事を思ったからバチが当たったんだ。

 

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